山内先生の講義を受けて、「ビビッ!」ときた内容をコンパクトにお届けしている
シリーズ:山内先生語録。今回のお題は、「消化管のはたらき」です。
★消化管は1本のホースのような管ですね。「ごくん」と飲み込んだところから
意思の力は働かず、下に下にと運ばれていきます。
ではなぜ口に戻ることなく、下に運ばれていくのか?
実は、口から肛門までの道のりにはいくつもの関所があって、逆走を防いでいるのです。
<関所>
その1:喉頭蓋:普段は閉じていて、食べ物が通過するときに蓋を開けます。
*ここがうまく働かないと、誤嚥になってしまいますね。
その2:噴門(下部食道括約筋):食道から胃へ食べ物が噴出していく口ですが、ここも
その手前の食道も食べ物が来なければ閉じています。
*食道アカラシアは、この噴門付近の下部食道括約筋の弛緩ができず、通過障害を
起こす病気です。治療は噴門を開きっぱなしにするのですが、そうなると
胃液が食道に逆流しやすくなるので(逆流性食道炎)、横になって休むことが
難しくなってしまいます。
その3:幽門:胃から十二指腸につながる口で、食べ物がいきなり流れていかないように
コントロールをしています。
*胃切除後には、一気に流れ込むことで起こるダンピング症候群に注意が必要。
「どうしても出したい!」ときには嘔吐をしますが、どんなにがんばっても、出せるのは
十二指腸の中身まで。その先は遠すぎて戻るのはたいへん!!
先に行ってしまった方が楽なので、水分ごと下痢として出してしまうのです。
(腸に流れ込む水分量:食事や水分3ℓ+胃液や胆汁などの消化液6L=なんと9ℓ!)
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