長谷川式簡易知能評価スケール

 

 

 

 

「あれ? 最近なんだか言動が・・・
もしかしたら、認知症の疑いがあるのかも・・・」 
そんな時、いきなり受診を促すのではなく、客観的な判断を入れてからにしましょう☆
と、アイちゃんのフローチャートでは促してきます。(「認知症」 Q2 参照)
「長谷川式テストで20点以上である」 YES or NO ?
 
では、この「長谷川式テスト」、実施するにあたり
どんなことに気をつけたらいいのでしょう?山内先生に教えていただきましょう☆
 
<改定 長谷川式テスト>
1.お歳はいくつですか?(2年までの誤差は正解)
 
2.今日は何年何月何日ですか? 何曜日ですか?
(年月日、曜日が正解でそれぞれ1点ずつ)
 
3.私たちが今いるところはどこですか?
(自発的にでれば2点、5秒おいて家ですか?病院ですか?施設ですか?のなかから
正しい選択をすれば1点)
 
⇒1.~ 3.までは、目の覚め具合を確認します。
 1.では「年齢」を聞いています。2年までの誤差は正解となっていますが、
 これはそこまで回答をゆるくしていいよというのではなく、その方の生まれ育った環境に
 より、数え年で数えているかもしれないからなのです。
   ☆数え年は、誕生日で歳を数えるのではなく、1月1日、
もしくは立春を正月として、2月4日)に歳を重ねていきます。
生まれた時を1歳とし「正月を迎えるたびに年齢を1歳重ねる」ため、実際に
誕生日で数えた年齢+2歳ということもあり得るのです。
 2.で「今がいつなのか」、3.で「ここはどこなのか」をたずねます。
 
4.これから言う3つの言葉を言ってみてください。
あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。
  a)桜 b)猫 c)電車
⇒短期記憶が保たれているかの確認として、
「おうむ返し」ができるかどうかを見ています。単語の意味は問いません。

5.100から7を順番に引いてください。
(100-7は?それからまた7を引くと? と質問。最初の答えが不正解の場合、打ち切る)
⇒ポイントは、2回目の質問「そこからまた7を引くと?」です。
自分が出した答えを次の演算に持ち越せるかどうかを確認しています。
 
6.私がこれから言う数字を逆から言ってください。
(6-8-2、3-5-2-9を逆に言ってもらう、3桁逆唱に失敗したら、打ち切る)
⇒数字という概念を扱えるかどうかを確認しています。
もし、概念操作ができなければ、「ろくはちに」と聞こえ、逆は「にちはくろ」となります。
 
7.先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください。
自発的に回答があれば各2点、もし回答がない場合以下のヒントを与え正解であれば1点)
⇒先ほど使った回答を、しばらくは記憶できていますよね?の確認です。
 
8.これから5つの品物を見せます。それを隠しますのでなにがあったか言ってください。
(時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係なもの)
⇒「こんな形をしていて、ここにあるものは、これですよね」という概念操作ができるかどうか。
概念操作ができないと、わかってはいても、「あー、あれだよ、ほら!」のようになってしまう。
 
9.知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
(答えた野菜の名前を右欄に記入する。途中で詰まり、約10秒間待っても出ない場合には
そこで打ち切る)
⇒絶対に知っているであろうことを、自分のハードディスクから探し出してこられるかの確認。
 
 いかがでしょう?
この部分を確認しようとしているんだとわかれば、確認のコツもみえてきますね☆
 
ただ・・・問題なのは、
「こんな質問をされたときの相手の方の気持ち」です。
どんな気分になるでしょう?
バカにされたと思われないよう、細心の心遣いを忘れないで
確認をお願いします。
また、速度は全く関係しないので、「何分たったから時間切れ!」と
いうことはありません。
「うーん」と、回答につまってしまうようなら、そっと終わりを告げましょう。

 

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