「心不全を見抜こう!」その1

お久しぶりの「山内先生語録」!
今回は在宅でよく出会う『心不全』の見抜き方のおさらいです。
(長いので、数回に分けて書きますね。)
 
『心不全』とは、心臓がうまく働いていないよということですが、
心臓は血液を送り出すポンプで、4つの部屋に分かれていましたね。     
・左心室:全身に血液を「それいけ!!!」と押し出す大型ポンプ室
・左心房:肺から戻ってきた酸素たっぷりの動脈血に、「ちょっと待っていてね」と左心室の手前で待たせておく準備室          
・右心室:肺に血液を「えい!」と押し出す小型ポンプ室          
・右心房:全身から戻ってきたヨレヨレの静脈血に、「ちょっと待っていてね」と右心室の手前で待たせておく準備室      
     
この4つの部屋を使って、肺と全身に血液が送り出されるのですが、
血液が動く原理は風船の伸び縮みと同じ。
膨らまされた分だけ押し出す…の繰り返し。
                   
でもこれがうまくいかなくなることがあるのです。 
そう!これが『心不全』。 (『心不全』は病名ではありませんのでご注意を。)
 
うまく血液を押し出せないと、血液が心臓内に溜まってしまう(内容積の増大)、
そして「これでは効率が悪い!」と心拍数をあげて心臓が頑張ってしまうと
心臓は心筋という筋肉でできているので成長して分厚くなってしまう(心肥大)
中身が増えて皮も厚くなれば、心臓そのものが巨大化します。(心拡大)
 
医療機関では、胸部レントゲンを撮影し「心胸郭比」(胸郭の幅に対する心臓の幅:

正常値は50%未満、50%以上の場合を「心拡大」と呼ぶ)で確認をしますが
在宅ではどうしたらいいでしょう?
 
実は・・・聴診器があれば訪問先でも確認をすることができるのです。
知っていれば簡単にできる方法なので、
次回はこの方法について書いていきますね。