5/17(水)「本物の看護がしたい!セミナー」第9弾
「重症心身障がい児サポーター」×「訪問看護師」 重症児のサポートを学ぶセミナー が終了いたしました。
今回も大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。
講師:NPO法人ソルウェイズ 代表理事
運上 佳江様
NPO法人ソルウェイズ 理事/訪問看護ステーション あみえる 所長
岩間旭様
看護師
NPO法人ソルウェイズ 訪問看護ステーション あみえる
松下依莉様
理学療法士
アンケートよりいただいたコメントとご質問を抜粋してご紹介いたします。
【気づいたことや感想に、運上様よりコメントをいただきました】
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実際に重症心身障がい児の訪問看護に研修に行く機会がなく、現在訪問に行ってしまっている。
貴ステーションに研修に行きたいと強く思いましたが遠いのが残念…。
もう少し日々の訪問内容(呼吸器モニターチェックの仕方など)を学びたいです。
☞ 道外からの転職者も多くいます。
また、研修では無いですが、見学したいという方は、道外から職種関係なく、医師や看護師、保育士等がいらっしゃいます。
ぜひ!北海道に遊びに来るついでに!寄って行ってくださいね。
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「お母さんはその子のことをよく知ってる先輩、教えてもらうという気持ちで」という表現があり、少し気持ちが楽になりました。
☞ その通りだと思います!そして、その繰り返しで、経験を積むと、きっと分かることもあるのかなと思ったりしました。
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毎日のように重症心身障害児のお宅を訪問しています。どのお母さんも皆さん一生懸命なのを感じています。
そんな中でこれは普通の子でも同じですか?とか、普通の子だとどんな風ですか?と聞かれる事がしばしば。
医ケアがあっても子供に変わりがなく、今の行為は普通に育児なんだけれどなぁと思うことがあります。
医ケアばかりに気を取られず育児を楽しんでもらえるよう関わりたいと思っています。
私の故郷札幌でこんなにも良いケアが展開されていること嬉しく思いました。ありがとうございました。
☞ そのお母さんの言うことは私のようだと思いました。1子に障害があると、
子育て経験がないとそのような疑問っていつも私も思ってました。
でもそのように聞ける人がいて良いな、それが訪問看護師さんで良かったなって感じます。 -
経営を考えないで、思い切り関わりたいと、思いました。
☞ 経営を考えないで、思い切り関わりたいですよね。私も毎日そう思ってます。
でも、私たちが居なくなってしまったら困るご家族がたくさんいるので、
閉所ということがないように、持続できるようにいつも考えてます。
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肉芽の件、しお、砂糖は知らなかったです。 高齢者で胃ろう交換しても肉芽があり、困っていました。
やってみたいと思いますが、上司がなんと言うか?
文献などありましたら、それを基にかけ合ってみようと思います。
☞ 文献を探してみたのですが、このあたりですかね。答えになっておらず申し訳ありません。
瘻孔周囲炎治療に用いる重曹シュガー軟膏の基礎的検討
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特別支援学校の養護教諭をしています。
訪問教育の生徒が、医療的ケアがあったり、重症心身障害があったりするので、とても身近な存在です。
医療的ケアについてもいろいろ勉強しており、本日の講師の運上さんのお話も何度か聞いたことがあり、
本日のセミナーを大変楽しみにしており、うまく言えませんが、大変勉強になりました。
こどもさんはとてもかわいいのですが、やはり保護者さんが一緒にいてくださると心強いです。
訪問教育の生徒が修学旅行で飛行機に乗って、東京に行きました。その時は別の学校になっていたのですが、
自分達だけでは難しいからと大変喜んでお土産を買ってきてくださり、写真もいただきました。
ソルウエイズさんが活動を大切にされているのに改めて感謝です。ありがとうございます。
☞ いつもセミナーや講演に参加してくださってありがとうございます。
基本的に私は、学校の保護者の付き添い等に全て無くなったら良いともおもっておらずです。
やはり、全てを学校や、医療の知識や専門家ではない教員にある程度の判断をお願いするということに、
私自身もジレンマを抱えているし、そこを理解してお願いしないとならないだろうとも保護者として思ってます。
できれば、学校に十分な看護師の配置をお願いして、
教員の方々には授業に集中できるような体制であってほしいな思ってます。
いつも娘たちの学校の先生たちには頭が上がりません。
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目的をもって取り組んでいる事業所の運営は楽しくもあり、紆余曲折の事もあると思いました。
地域性などもあると思いますが、講師の方々の事業所を利用されているお子様やご家族は幸せだと思います。
NPO法人ということで助成も受けやすいというメリットも最大限生かされていると感じました。
初めての参加で少し内容が期待していたものと違う感じではありましたが、
同じ経営者、小児訪問看護にずっと携わってきた者としては同志であるように感じ、
また明日からの活力になりそうで、ありがたかったです。
☞ 助成金にもよるのですが、事業として、制度として無いものだから、助成金を活用して行うというものに関しては、
来年度は取れる保証もなく、国や自治体等で取れるような助成金は継続して獲得できなかったり、
購入や建築費用で0になるようなものなので、スタートアップには助かるとはおもますが、
いずれにしても事業を継続して行う、経営をしていくということは株式会社やそのほかの法人格と変わらないと思います。
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医療型入所児施設に勤務しています。訪問看護ステーションを立ち上げたい!何から考えればよいのか、
施設(事務部門というか経理関係)の協力理解をさせるにはどうしたらよいか、
ヒントや参考にしたものはなにか知りたくなりました。
☞ 私だったら、訪問部門が立ち上がると、どのような利点が入所施設の子たちに還元されるのかというあたりを
熱い思いとともにプレゼンされたら、そっか!訪問看護ステーションやりましょうか!ってなりますね笑
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小児専門の訪問看護ステーションが少しずつ増えてきているのかな?と感じたと同時に私の住む地域ではまだまだ少ないのが現状です。少しずつでも小児の利用者が増えるようにと思っています。 ありがとうございました。
☞ こちらの地域でも小児専門ではないですが、成人も小児もみますよという訪問看護ステーションは増えているように思います。
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成人の分野の経験しかないのでやっぱり小児の訪問看護は怖い、できそうにないと思ってしまいます。
ただ、講義にでてきたこどもたちみんな、かわいいなと思いました。
また、実際の需要はどのくらいあるのか、経営として成り立っていくのかなど疑問にも思いました。
☞ 講義にでてきた子どもたちが可愛いと思うならできると思いますよ。
不思議と小児経験しかない看護師さんは、むしろ成人は怖いできないというのですが。
経験がないって怖いですよね。
経営として、私たちの事業所の例ですが、介護と医療保険割合が半々ですが、成り立ってます。
成り立たたせるために、何をするか、どうするかでやってきてますね。
それは所長をはじめステーションのみんなで頑張ってます。
【ご質問に、運上様と岩間様より回答をいただきました。】
Q. 重症心身障害児は急変のリスクがある子たちが多いが、通所施設だとすぐに相談できる医師がいません。
よって、通所施設で働く医療職として看護師の責任は重いと思います。
A.【運上様】訪問看護とデイサービスを同一法人で運営していますが、
通所利用児は必ずしも訪問看護はうちのステーションを利用していないことも多いです。
ですが、通所利用を開始する時、初回利用等の時よりも前に、
その子が他で利用している日中短期入所施設や訪問看護等に引き継ぎなどをすることも多いです。
SpO2低下が起きやすい、こちらで判断してアンビューを押す、酸素投与等のタイミングなども、
実際に見て指導、引き継ぎするためにも口頭や文章だけではなく、事業所など出向いて情報交換しています。
急変時の対応は、通所でも看護師以外でも対応できるよう、BLS訓練(一次救命処置)を年に数回、
また日常業務の中でも抜き打ちで管理者がこの日と決めて突然急利用児がいる想定で行ったりしています。
急変を起こさないというよりは急変は必ずあるという想定で、毎日のBLS担当者もシフトと合わせて決めてます。
Q. いつも思うのは、公的機関の職員の知識がもっと幅広く深かったら、
お母さんの最初の不安も軽減するのに、、、ということです。
障害担当の保健師さんが定期的に代ってしまうので、残念に思う事が多いです。
A.【岩間様】訪問看護では、両親から不安な言動が聞かれれば公的機関の職員と情報共有し対応している状況です。
只、こちらからこまめに連絡を取り合わないと連携が途絶えてしまう為こまめな連絡が必要ですね。
Q. 重心児のサービスを運営するには費用的に難しい、と聞いたことがあったので、実際どうなのか知りたいです。
A.【運上様】費用的に厳しいの意味がどういうことを意図するかですが、
おそらく、キャンセルが多い、体調崩すと入院が長いため再開まで、
訪問看護等のラインを開けておかなければならず、そこが赤字化しやすいということはあると思います。
また、小児に対応できる看護師が少ないため、
人材確保にも困難さがあって、そこにも費用がかかる(人材紹介等にかかる)という意味なのでしょうか。
ただ、上記2つに関しても、ステーションとして努力はできると私は考えてます。
キャンセルが多くても、利用が空いたら、他の訪問で長時間入ってほしいところへ長時間入るとか、
キャンセルを穴埋めするように努力してもらってます。
A.【岩間様】訪問看護だけで考えると、訪問看護を必要とする時間がデイサービスや学校に行く前の朝と
帰宅後の夕に偏る状況ではあります。その為、成人や高齢者の訪問を昼前後の時間で行っております。
Q. 兄弟姉妹のいるご家庭では、障害児の兄弟がどのように関わっているか
(それぞれの家庭で違うとは思いますが)チャットで聞いてみればよかったなと思いました。
A.【岩間様】家庭環境によっては様々です。
一緒に遊んだり、声をかけたり、障害があってもなくても変わりがない家庭もございます。
リハビリも含め、訪問看護の場面では兄弟姉妹も巻き込みながら遊びを提供したりもしています。
中には、兄弟姉妹の方が医療的ケアを実施できているというご家庭もあります。
Q. 呼吸器やチューブが多い小児の訪問は毎回緊張します。
自分自身が呼吸器や小児看護に自信がないためお母さんに質問されても答える事ができません。
A.【運上様】私自身も母親ですが、もし自信の無いことを聞かれてわからなくてもその場でわからないと答えてくれても、
嫌な気持ちになりません。そう、正直に言ってくれて誠実な方だなと思います。
手が震えながら、注入したり、吸引している看護師さんを見て、そんなに怖いのかと思うこともあります。
だから、あまり私は見ないようにしてます。いつか慣れて、自信に変わってくれたら嬉しいです。
自信がなかったことも、後で調べて答えたりそういう積み重ねがあったらもっと良いですね。
A.【岩間様】お母さんは私たちの手本ですから、わからない事は教えて頂く姿勢でのぞみましょう。
また、わからない事を曖昧に答えるとだいたいが間違っているので、
持ち帰ってステーションの方に聞いたり調べてから答えるようにしましょう。
当ステーションでお力になれる事があればサポートしますので、ご連絡下さい。
Q. 初めて、自宅へ退院されるご両親は、戸惑いや、自信が持てない方もいらっしゃるかと思います。
どんな風に声をかけてあげたら、安心されますか? 重症心身の施設が少なく、
レスパイトも急にできないことが多く感じます。短期入所などできる施設が増えるとよいと思います。
A.【岩間様】両親だけで頑張らずとも、退院日から訪問看護が介入し、必要ならば毎日訪問してサポートをする事をお伝えします。
また、両親の状況に応じて訪問日数を調整しています。
退院の時点でレスパイト入院出来る病院や施設を決めておいている事も多いです。
Q. 低酸素脳症による24時間呼吸器管理の17歳の方の訪問に入ってます。
お母さんがとても頑張っておられるけど、ショートもレスパイトも面談、利用時の準備、移動と全てにおいて大変。
今回、長時間の訪問をされてると聞いて、どういった療養費の取り方なのか教えてほしかったです。
なかなかボランティアは見つからないし、制度を優先的に使おうと思うとお母さんの役に立たないです?
A.【岩間様】お母さんが希望される日に、例えば4時間の在宅でレスパイトを行うとした場合、
90分を超える長時間加算で算定できる部分は算定し、
残りはNPO法人Solwaysが行っているレスパイト事業として助成金で費用を賄う仕組みです。
または、訪問看護90分以上介入後、居宅サービスに移行するという手段もあると思います。
<アンケート結果詳細>
Q. セミナーの満足度をお聞かせください。(満点:星5つ)
満足度 87.3%
47(☆5つ) 25(☆4つ) 12(☆3つ) 0(☆2つ) 1(☆1つ)
Q. 重症心身障がい児の方と接した経験はありますか?*場所は問わず
ある(訪問看護の仕事で) 59 (57.3%)
ある(施設の仕事で) 23 (22.3%)
ある(プライベートで) 11 (10.7%)
ない 10 (9.7%)
コメントをお書きください
平出穂澄 (月曜日, 05 6月 2023 18:57)
コメントありがとうございます。幼少期から施設入所しているため、退所後も次の施設の空き待ちで入所を継続している状態です。訪問看護ができ、在宅生活を一緒に支えられれば、在宅に移行できる方もいる気がしています。わたしも、人の親です。入所児にも親子水入らずで過ごす時間を体験させたいです。夢を持って重症児(者)と関わっていきます。研修を受けて元気になりました。
看護のアイちゃん (火曜日, 06 6月 2023 08:12)
平出様
素敵なコメントありがとうございます!
嬉しいです。
これからも皆様に『元気』をお届けできるよう
楽しいセミナーを開催してまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。