今回の山内先生語録は、「クッシング現象?!」です☆では、どうぞ(^^)/
自動血圧計のマンシェットを上腕に巻き、逆の手指にパルスオキシメーターをセット、
スタートボタン、ポン!
はい、血圧と血中酸素濃度と脈拍も測定できました。
って、これでいいですか?
そうです。脈拍を測定するのに脈を触知していませんね。
でもパルスオキシメータ―に表示されるのだから、それでいいじゃないかと思う方、
こんなケースはどうしますか?
突然の意識障害
パルスオキシメータ―の脈拍は、58と表示。血圧は高値を示している。
「あー、意識レベルは落ちているけれど、ショック状態ではないからよかった。」
本当に?!
ここで、脈を触知し「しっかりとした脈」に気がついたとしたら、どうですか?
「しっかりとした脈がある。よかった!」ではありませんよ。
意識レベル低下・血圧上昇・脈圧の増大(しっかりとした脈)ときたら、
そうです「クッシング現象」!!
これを見逃してしまったら、取り返しがつきません。
せっかくなので、寄り道をして「クッシング現象」をおさらい。
クッシング現象
脳浮腫により頭蓋内圧が亢進。脳の血管は頭蓋内圧が高いため圧迫されて血流が悪くなり、脳虚血となる。
これは困る!と脳の血流を確保するために、交感神経が 刺激され「心拍数」「心収縮力」「血管収縮」が増大され血圧上昇。
その中でも脳虚血を解消しようとするため収縮期の血圧が上昇し、脈圧の増大となる。
更に状態が悪化すると、血圧の変動情報を心臓血管中枢に伝えるための「圧受容体」というセンサーが作動し、
アセチルコリンが分泌されて心臓の洞房結節に作用し、心拍数を抑制・・・。徐脈になるのです。
また、脈を触知することで、体温の様子(正確な数値でなくても、大まかにはわかります)もわかりますよね。
「看護師がきても、身体に触れずに機械の数字だけを見ていく」なんていう
笑えない話しも耳にします。
医療機械ではなにがわかり、なにはわからないのか、「バイタル測定屋さん」
「報告屋さん」で終わらないよう、しっかりと頭をつかってアセスメントをしてくださいね。
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